音楽教室が105~110%成長し続けるための「既存名簿」の活用方法とは
いつもお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の伊藤でございます。
ほとんどの業界の成長が鈍化し、成熟化している今、
「ひとつの事業に軸足を置きその事業のみを深堀するだけで成長する」
ということのハードルが非常に上がってきてしまいました。
成長期は、多店舗展開や大型店舗の出店等を行うことで売上はどんどん伸びていきました。
例えば音楽教室においても、特に2000年~2010年頃、駐車場や受付、ロビーが広く、とにかく綺麗で10部屋以上あるような大型会場をどんどん建てれば建てるだけ生徒が集まり売上が伸びてゆく時代もありました。
しかし、軸足を置く業種が成熟しきっている今、そのような戦略は適切とは言えません。
そこで、成長戦略として視野に入れていただきたいのは「多角化経営」です。
ひとつの事業のみではなく、既存事業との親和性・シナジーの高い業種へ参入していくことも、前向きに検討いただきたいと考えています。
また、既に多角化経営を行われている場合、その価値を最大化するためのアプローチが時流に合っているか、具体的に成果が出ているかどうか等、改めて振り返っていただけたらと思います。
音楽教室の多角化経営で重要なのは「LTV」
「楽器店」と呼ばれる多くの音楽教室は、名の通り楽器販売・小売り事業を軸とし、後天的に音楽教室が付加された形態が多いかと存じます。
また、今や売上構成においては、逆転現象が起きている(音楽教室>小売)パターンも多く存在しています。
この成熟産業×成熟産業の多角化経営で意識いただきたいのは、「LTV(ライフタイムバリュー)」です。
LTVとは、一人の顧客が自社に対してもたらす利益の総額を指しますが、
教室業の場合、「平均在籍期間×平均顧客単価」で表すことが多いです。
マーケティングによって生徒数を飛躍的に伸ばし続けることが難しくなった今、
・一人の顧客に永く通っていただく
・一人の顧客になるべく多くの商品を買っていただく・コースに通っていただく
・一人の顧客になるべく単価の高い商品を買っていただく
等の、既存顧客へのアプローチを行っていただけたらと思います。
また上記を実現するために極めて重要なのが、企業と顧客の「関係」を可視化する機能(CRM)です。
既存の顧客名簿から利益を生むためには?
数百~数千の音楽教室の顧客リストが、目的なくただ‟保管‟されているだけの状態は、「管理」とは言えません。逆もしかりで、過去の楽器購入者リストが紙でファイリングされた状態でロッカーの中にきれいに並べられているだけでは、1円も利益を生みません。
仮に、音楽教室の生徒への「楽器売込み率」を強化していく場合、
まずは、楽器が売れるパターンの分析(ルール化)を、以下の視点から行っていただけたらと思います。
①楽器を買ってくれる生徒・家族の「特性」を可視化する(経済力・家族構成・ほかの習い事・園や学校 等)
②楽器を買ってくれる生徒・家族と「教室」「店」「講師」との関係性を可視化する
③楽器を買ってくれる生徒・家族の「レッスンの習熟度・熱心度」を可視化する
④楽器を買ってくれる生徒・家族への「営業」の量・質・タイミングを可視化する
そして、上記①~④の一定水準になるべく多くの生徒が近づけるよう、
一つひとつのKPIを意識しながら、施策を実施していただけたらと思います。
〈例1〉
入会から●ヶ月で両手弾きができるようになった子の▲割が楽器購入をする
→「●ヶ月以内に両手弾きできるようになる生徒」を10%増やすための施策
〈例2〉
入会後の親子懇親会に●回参加した家庭のうち▲割が楽器購入をする
→「親子懇親会への参加率」を10%上げるための施策
毎年 安定して「生徒数105~110%成長」を実現するために
2026年春募集開始まで残り6か月で、音楽教室企業が全力でやるべきこと

本日は、成熟業種の多角化経営における「既存顧客の名簿活用」の重要性についてお伝えいたしました。
また「マーケティングによって生徒数を飛躍的に伸ばすことが難しくなった」と先に述べさせていただきましたが、決して生徒を増やすことが出来ないと決めつけるものではございません。
地方の音楽教室・楽器店企業様も、これからも安定して(毎年105~110%成長)生徒を集め続けるための、「前提」と「戦略」と「手法」について、セミナーで解説させていただきます。
〈このような企業様におすすめです〉
・この春、募集実績が昨年対比で95%以下となってしまった
・三期以上連続で、生徒数が減り続けている
・スタッフ個々の営業力低下を感じており、体験レッスン参加者のうち3割以上入会を逃してしまっている
・営業担当者は「お母さんが○○と言っていたので…」や「押し売りは出来ない」等の言い訳をする
・問い合わせが少ない今、生徒一人ひとりの営業を大切にしなくてはいけないのは分かっているが、時間も人も余裕がなく中途半端になっている
・習い事全に対する保護者の志向の変化・音楽教室の需要低下を感じ、企業努力ではもう集まらないのではないかと思っている
・WebマーケやSNS等、やるべきことはやっているはずだが、成果に繋がっているかどうか分からない
・メーカーや本部の指示を待っている状態ではいつまでも挽回の兆しが見えないので、自社で生徒を集められる企業体質にしたい
〈日時〉
・7月22日(火)
・7月25日(金)
・7月28日(月)
・8月4日(月)
※全日10:00~12:00開催です
〈開催形式〉
全日オンラインです
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