学習塾業界のM&A動向・事業承継解説

2023年6月1日配信

カテゴリ:
M&A・事業承継

昨今、地域でも1番~3番につけている学習塾企業さまの場合は創業者の塾長先生が60代後半~70代を迎えられ、いよいよどのように後へ引き継いでいくかを悩まれているケースも多いかと思います。しかし事業承継の場合は、ご存じの通り、直ぐに行えるものでなく予め時間をかけて確実に行っていく必要があります。
また形の1つとしてM&Aにおいて事業の売却の手段と言う手も考えられます。
本日はその事業承継やM&Aにおける現状やポイント、事例についてお伝えさせていただきます。

①学習塾業界における現状とは!?

スクール・学習塾業界(特に学習塾業界)には、大手企業が全国に向けた事業展開を行っている一方で、地方レベルで事業展開をしている中小規模、個人経営の零細規模などさまざまな規模のものが存在します。また、近年ではM&A、FCによる学習塾経営もあり、業界再編による大手企業の寡占化がより一層進んでいるのが現状です。しかし地方の中小規模の学習塾の意味合いも大きく、地元に特化し、その企業でなければ提供できない有形無形の価値が存在します。このような観点で見ると、地方の中書規模の学習塾が存続することは非常に意義深く、またM&Aなどにおいても価値があると言えます。とはいえ、学習塾企業の存続を左右する事業承継は決して簡単なものではないケースが多いのが現状です。昨今では、中小企業や零細企業を中心に、後継者不在で事業承継ができなくなった結果、廃業してしまうケースも少なくありません。

また、これからの学習塾企業経営の後継者は、学習塾業界の動向を踏まえた高度な経営が求められます。例えばeラーニング、DX化などといったさまざまな指導方法、ノウハウ、システムを取り入れていく必要があります。加えて学習塾業界に直接影響を与えている問題が「少子化」です。子どもの学習支援をすることが業務である以上、学習塾にとって子どもの数は市場規模を左右します。経営を存続する上で、少子化問題は非常に致命的な事態だと言えます。その上、このような状況もあって学習塾業界ではシェアの激しい奪い合いが発生しており、競争が激化しています。そのため、学習塾を事業承継する際は、生き残りの戦略を練った上で後継者に方針を呈示する必要があります。
ではその上で事業承継において気を付けるべき、意識すべきポイントは何なのかをお伝えいたします。

②学習塾企業における事業承継での課題とポイントとは!?

まず、初めに、事業承継の手法は注意深く選別する必要があります。近年、事業承継の手法は多様化してきており、従来の家族・親族の中から後継者を選定する「親族内承継」、従業員や社外の人材から後継者を選定する「親族外事業承継」や「M&Aによる事業承継」などの中から、それぞれの会社に合った手法を選択する必要があります。

これまでは「後継者がいない場合=廃業」でしたが、現在ではM&Aによって企業を売買する形で後継者を選択できるため、以前よりも事業承継が実施しやすくなっているのが現状です。しかしながら、どの手法を実行する場合も、メリット・デメリットがあるため、会社の内情に合わせて選択する必要があります。また、事業承継にはかなりの時間や手間がかかることも考慮しておく必要があるでしょう。後継者選定をする事業承継であれ5~10年、比較的短期間できるM&Aによる事業承継でも1年~2年以上を要します。そのため、経営者の方がまだ元気に動ける早いタイミングで事業承継は始めるべきなのです。

そのため今後、近い将来はもちろん、比較的遠くない将来に事業承継をお考えになられる方は、是非上記の点を意識して、まずは中長期の経営計画と同時並行で事業承継の計画を組んでいただければと思います。特に、企業を身内(親族など)&幹部社員に引き継ぐか、他へ売却するかでも、上記3点の考え方や捉え方も大きく変わってきます。

そして、もう1点学習塾が事業承継や事業承継M&Aを行う場合は、生徒や保護者の学習塾に対する心証やロイヤリティに敏感になる必要性があります。前述の通りどのような形であれ、事業承継を実施して経営者が変われば、顧客(生徒、保護者)は不安に思うのは当然のことです。具体的には、事業承継によって「授業の形態や方式、料金などが変わるのでは?」というイメージを持たれます。特に事業承継M&Aであれば、買い手となる会社が経営の主体になるため、学習塾が潰れてしまう、廃業するというイメージを与えてしまう恐れがあります。事業承継M&Aを行う際には、契約が締結まで徹底的に情報漏洩をしないように進め、公表できる段階に入り次第、顧客(生徒、保護者)向けに丁寧に説明することが重要です。

何れにしましてもまずは、具体的には企業として現在どの程度の「無形・有形の価値を保っているのか、地域での立ち位置はどうなのか、将来性はどうなのか」という点です。今後事業承継・M&Aをお考えの方は、この点において専門家に客観的な調査や意見を求められることもお勧めいたします。

③M&Aなどにおける事例について

M&Aについては、近年、補習~受験指導まで幅広いニーズに対応可能で、難関校への豊富な合格実績も有する大手学習塾のシェアがどんどん高まってきている傾向があります。事例を見ていても、これまでは「低学年から高学年までの生徒をまるっと囲い込む」ことを目的としたM&Aの動きがみられましたが、今後はノウハウ共有を狙いとした大手学習塾同士での連携や協業も進んでいくことと考えられます。

また同時に地方を中心に少子化で学習塾間の競争は激しさを増している反面、学習塾大手はM&A(合併・買収)をテコに地域展開を加速させています。特に大手学習塾はデジタルを活用した学習サービスを導入・活用する環境が大きく進展し、オンライン授業が一般化したことによって、地方や海外在住の生徒に向けてオンライン授業を提供するサービスを新たに立ち上げる動きもみられるので、今後は、大手企業による地方の中小事業者への圧力が強まることが考えられます。上記の様な傾向を踏まえて上で、どのような事例が実際にあるのかを見ていきたいと思います。

●早稲田アカデミー、個別進学館を吸収合併

早稲田アカデミーは、完全子会社の個別進学館を吸収合併しました。個別進学館は、元々「早稲田アカデミー個別進学館」事業を共同で手掛けてきた明光ネットワークジャパンとその子会社であるMAXSエデュケーションからこの事業を承継・譲り受ける会社として新設分割により設けられた会社で、昨年の段階で完全子会社となっていました。目的は意思決定の迅速化と事業運営の効率化を図り、集団指導校舎との連携を強めて「早稲田アカデミー個別進学館」事業のさらなる発展と考えられます。

●明光ネットワークジャパンがユーデックなどを教育LABOへ株式譲渡

2020年5月に個別指導塾のフランチャイズ展開など教育事業を運営している株式会社明光ネットワークジャパンは、連結子会社である株式会社ユーデック及びユーデックの完全子会社である株式会社晃洋書房について、保有するユーデックの全株式を教育LABO株式会社に譲渡しました。ユーデックは、明光義塾チェーンに対して明光義塾統一テストの提供や公立高校入試過去問題集の販売事業等を展開している事業者で、晃洋書房は、大学教科書の発行を主軸に出版事業を行ってきた事業者です。明光ネットワークジャパンによる株式譲渡は、経営資源の最適化を目指したものとみられます。

●昴、タケジヒューマンマインドを子会社化

2020年3月、昴は、沖縄のタケジヒューマンマインドを子会社化しました。昴は、鹿児島や宮崎県を基盤に、九州四県で学習塾を行っている状況企業です。タケジヒューマンマインドは、沖縄県で高校生を対象とした学習塾を展開している会社です。

●佐鳴予備校の中萬学院運営の企業の全株式の取得

静岡、愛知両県などで進学塾「佐鳴予備校」を展開する「さなる」は神奈川県の学習塾運営会社「中萬学院」の持ち株会社ビジョンポートの全株式を取得しました。さなるは今後神奈川県に拠点に関東方面に拡大するべく、中萬学院の強みの英語指導や中学受験のノウハウを取り入れたものとみられます。尚、学習塾の中萬学院の名称は今後も残し、各校にさなるが得意とするICT(情報通信)教育を導入していく方向性とのことです。

以上が、学習塾業界における最新の事業承継・M&Aの解説でした。

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