下りエスカレーターの時代のスクール経営

2014年4月28日配信

昭和期に活況でしたが最近は勢いが衰え始めている業界としてよく名前が上がるのが、
「音楽教室」「スイミングスクール」業界でしょうか。
音楽教室業界は家庭の所得の低下、ピアノ離れ、住宅事情などにより、市場全体が低迷傾向です。
また、大手企業加盟依存体質が定着していますので、経営の自由度が少なく、また利益率が圧迫される傾向にあるため、なかなか明るい未来が描きにくい業界になりつつあります。

また、スイミングスクール業界はシンプルに人口減少・少子化という根本的な外的要因が致命傷になりつつあります。元々、一般のスクール業界からすると考えられないような高コスト構造のビジネスモデルであるため、大量の新規入会者を獲得して成り立つモデルです。
それが最近は人口減少により会員数の維持が困難になり、さらには施設の老朽化、電気代の値上げなどにより徐々に利益が圧迫されています。

これらは業界全体が現在苦戦傾向にある業界になります。

一方で現在はそれなりにビジネスが成立しているが、今後リスクが高い業界としては下記のような業界があります。
1.学習塾(集団指導):最も危険なのは少子化と競争激化による1講師1授業あたりの生徒数減少による原価率のアップ=利益率の低下  15年後に25%の子供減少は死活問題に…。
2.学習塾(個別指導塾):上記の集団指導の学習塾と同じリスクに加えて、最近では競争激化による「アルバイト講師」の採用が困難になるという運営面の影のリスクが顕在化している
3.パソコン教室(シニア向け):世の中のパソコン離れ、さらには初心者層の減少
4.ダンス教室:講師となるダンサーが30代になることによる講師離脱問題。ブームの終息。
5.簡易フィットネス:市場自体が飽和状態、新規集客の伸び悩み&継続率が維持しにくい

上記以外の業界においても、やはり人口減少・景気低迷によって市場が縮小傾向にある業界が大多数なのが、現在の日本経済です。

まさに世の中は「下りエスカレーター」の時代であり、今までと同じやり方・同じビジネスをしているだけでは業績が確実に落ちるという時代になっています。

だからこそ、新規事業への取り組み、多角化、業界内での新商品開発などの「業界の未来をつくる」「企業の未来をつくる」取り組みをできる経営が重要になるのです。

ぜひ経営者の皆様は、今後の次代を見据えた経営戦略の構築をGWの期間に練られてみてはいかがでしょうか?

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