②学習塾・予備校経営における「情報Ⅰ」対策のあり方とは
今回のコラムでは学習塾・個別指導塾・予備校の「企業側」「塾側」の目線、運営者・経営側の目線で情報Ⅰ対策のあるべき姿をお伝えしていきたいと思います。
直近の2年間=2023年~2024年は第1回の「情報」入試活用に向けての様子見の時期です。
2025年入試の「情報Ⅰ」の内容は、既存の教科書に基づいたオーソドックスな内容になるでしょうし、大学の入試配点や二次試験活用も限定的になる見込みです。
そのため、2023年~2024年の教科「情報」対策は、「情報Ⅰ」対策中心、基本的な内容の暗記をベースとしながら、一部応用問題に対応できるようにしておけば、大学入試において大きな問題は生まれないでしょう。
さらに教科「情報」に関連する講座やコースの受講が加速するのは、受験準備が加速する2024年春となる見込みです。
内容においても、情報Ⅰの教科書に基づいたオーソドックスな講座内容のニーズが高く、情報Ⅰの講座内容のクオリティが大きな生徒募集の違いに直結することは考えにくいといえます。
学習塾や予備校が「教科書に基づくオーソドックスな内容」の講座を開講するには、
①安価な情報Ⅰ対策の映像教材やコンテンツを導入して生徒に提供する
②専門家を連れてきて自社独自の生講座を用意して生徒に提供する
この2つのパターンがありますが、経費面、効率面からすれば、圧倒的に①が無難です。「情報」対策の講座やコースの品質が大きな集客の差になりにくい2023年~2024年においては、過度な投資やこだわりを避け、無難なコース設計をするのがおススメです。
一方で2025年以降からは、大学側の入試における情報活用のスタンスが大きく変化してくる可能性があります。
一部の情報系学部学科では「情報Ⅰ」だけではなく、「情報Ⅱ」に基づく内容を二次試験で導入する、二次試験において実際にコードを書かせる、コードの不備を判定させる、作成したプログラムを提出するなど、上位大学を中心に、かなり専門性の高い内容を要求する大学が現れる可能性があります。(このあたりは大学側の動向を注視する必要があります)
時代の流れがこのように動いた時に、無難な情報Ⅰのみの内容、映像動画のみの内容しか提供できない学習塾・個別指導塾・予備校は、「情報」の習得においては、圧倒的に不利になる可能性が高く生徒からの支持を受けにくくなる危険性があります…。
つまり教科「情報」対策の講座内容のクオリティや環境(設備機器や実習の有無など)が差別化のポイントなるでしょう。
このレベルになってくると「情報塾」「情報予備校」のような新業態として成立する可能性さえもあります。
この流れは、「英語」でイメージすると学習塾・予備校業界の皆さんにとってはわかりやすいかもしれません。(一部の外語系大学・学部の二次試験では、共通テストの範囲を超えた異常に高いレベルの英語力を求められるため、専門の英語塾などが存在する)
このように教科「情報」への対応は、
『短期の情報Ⅰ対策』と、その後の『中長期の「情報」全般への対応』を分けて考える必要があります。 また各時期において、自社がこの「情報」という領域において、主力分野のひとつとして扱おうとするのかどうかの各社の経営戦略も重要になります。
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